建築士として働いていた20代、私は体の周期について何も知りませんでした。
毎月同じように仕事ができると思い込んでいて、突然のイライラや疲労感に戸惑い、「自分は根性が足りないのかな」と責めていたほどです。
あの頃の職場は完全に男性社会。朝7時から現場に出て、夜遅くまで図面を引いて。女性は私だけか、私を含めて2、3人。
上司も同僚も皆、九州男児気質の強い人ばかりでした。生理があることも、周期があることも、仕事の効率に影響することも、誰も話さない。
むしろ、そんなことで仕事を調整するなんて、プロ意識が足りないと思われるのが怖かった。
だから、体が悲鳴を上げていても、気合いで押し通そうとしていました。
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後になって気づいたんですが、女性の身体は本当に繊細で、見事に「月のリズム」で動いているんです。
1ヶ月を4つの週に分けると、全部が同じコンディションではない。むしろ、本当にパフォーマンスが高い日は、1ヶ月のうちたった10日程度。
残りの20日間は、それぞれ違う特性を持っているんですよ。
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卵胞期(生理終わりから排卵まで)は、エストロゲンが優位になって、気持ちも前向き、体が軽い時期。
このタイミングで新しい企画を立てたり、人間関係を広げたり、チャレンジ的な仕事をするのが理想的です。
黄体期(排卵から生理まで)は、プロゲステロンが優位になって、内向的になるし、体も重くなるし、判断力も落ちやすい。
同じ仕事内容でも、この時期にやると3倍疲れます。
本来なら、この時期は内省的な業務、整理整頓、過去のデータ分析みたいな集中力よりも丁寧さが必要な作業に向いているんです。
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もし20代の私がこのことを知っていたら、自分の体と向き合い方が完全に変わっていたと思います。
「この疲労感は根性の問題じゃなくて、ホルモンの影響なんだ」「だったら、この時期はこういう仕事をしよう」「無理やり同じペースで進める必要はないんだ」。
そういう知識があるだけで、自分を責める気持ちが消えていたはずです。
今、私のところに相談に来る女性たちに、これを最初に伝えると、本当に表情が変わるんです。
「え、これ、自分だけじゃないんですか」「病気じゃなくて、ホルモンのせいなんですか」。その瞬間、多くの女性が肩の荷を下ろすんですよ。
女性の身体は、決して弱いわけではない。ただ、複雑で、繊細で、リズミカルなだけ。そのリズムを知ること、理解することが、本当に大事だと思います。