「子どもを産めば、こういう症状は楽になるよ」。27歳で子宮腺筋症と診断される前、何度この言葉を聞いたでしょうか。病院でも、友人からも。

母さえも、「子どもができたら変わるよ」と言いました。

生理痛がひどいと訴えると、「みんなそうだよ」と返される。階段が下りられないほどの痛みがあることを話しても、「そんなに悪いわけがない。

気のせいじゃないか」という目で見られる。下腹部の違和感や月経過多について相談しても、本気に取り合ってもらえない。

女性の痛みって、すごく軽く扱われるんです。社会全体で。

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子宮腺筋症と診断されたのは、別の病院での精密検査でした。その医者は私の状態を見て、こう言ってくれました。

「普通なら2年ももたずに子宮を取るケースがほとんどです。よく13年もこの身体で頑張りましたね」。

その言葉を聞いたとき、初めて私は「自分の痛みは本当だったんだ」と確認できた気がしました。

でも、それまでの10年以上、どれだけ自分の身体を疑い続けたか。

「もしかして、本当に気のせいなのかな」「みんなこのくらい我慢してるんじゃないか」「自分が弱いだけなのかな」。

そういう自己否定の時間が、どれほど心身を傷つけていたか。

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これって、本当に悔しい話なんです。実は、医学的には実在する病気で、一定の治療基準があるのに、診断を受けるまでは「あなたの気のせい」扱いされるって、何てことでしょう。

妊娠・出産についても同じ。

「出産すれば治る」という根拠のない期待をかけられて、不妊治療を受けながら、周囲からは「子どもを産めば変わる」と言われ続けた。

そして、実際に双子を産んでも、症状は全く改善しなかった。むしろ、重くなりました。

あのとき感じた、言葉にならない怒りと悲しみは、今でも覚えています。「あなたの体のことを、あなたより医学知識のない人が判断しないでほしい」という気持ちです。

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今、私が女性たちの相談に乗っていて気をつけていることの一つが、決して「気のせい」という言葉を使わないことです。

「あなたの感覚は正しい」「その症状は医学的に根拠がある可能性が高い」「だったら、どうケアしていくか、一緒に考えましょう」。

そういう姿勢で接することを大事にしています。

女性の身体に対する無理解は、女性自身の自己肯定感を奪います。

そして、社会全体で、女性たちが自分の体を信じられなくなっている状況は、本当に危機的だと思うんです。痛みは、決して「気のせい」ではない。

その声を、誰もが聞く社会に変えたい。それが、今の私の強い想いです。