YouTubeに出演することになったとき、私は、正直なところ、戸惑っていました。自分の人生を動画で話すなんて、想像もしてなかった。

ずっと「自分のこと」を話すのが、照れくさかった。母親は無言で応援するタイプだったからかもしれません。

それを声をかけてくれたのが、SHOKOさん。ナレーション業をされている方で、紹介を通じて出会いました。

彼女は私の話を聞いて、静かに、でも深い眼差しで、こう言ってくれたんです。

「この方……何人分の人生を来てらっしゃるんだろう」

何人分──

その言葉が、響きました。本当に響いた。

◇ ◇ ◇

自分では「ただ、生きてきただけ」だと思ってた。苦しくて、辛くて、何度も「ここで終わりにしたい」と思った人生。でも、SHOKOさんの目には、それが「複数の人生」に見えたんです。

子ども時代の私。建築士だった自分。患者だった自分。妊活をしてた自分。双子の母だった自分。再び患者に戻った自分。そして、シングルマザーになった自分。

確かに。何人もの「私」を生きてきた。

「お話、聞かせていただけませんか。動画に残しましょう」

その一言が、人生を変えました。

◇ ◇ ◇

一人で頑張ってると思ってました。双子を育てる。仕事をする。病気と向き合う。全部、一人で。そりゃあ、苦しい。十三年苦しくて、その後も、苦しい。

でも、一人で背負うしかないのが「人生」だと思ってた。

SHOKOさんとの出会いまで。

「一人で頑張らなくていい」。それは、誰かに言われたことがない言葉でした。父も、夫も、社会も、みんな「頑張れ」と言った。

でも、SHOKOさんは違った。「頑張らなくていい。その代わり、あなたの声を聞かせてほしい」

その言葉が、どれほど救いになったか。

◇ ◇ ◇

YouTubeで話し始めると、メッセージが届きました。「同じ経験をした」「自分だけじゃなかったんだ」「話を聞いてくれる人がいるんだ」。

そういう言葉を受け取りながら、私は気づいたんです。自分が「複数の人生」を生きたということは、それだけ多くの「迷い道」を経験したってこと。

そして、その迷い道を歩んだ私だからこそ、誰かの道しるべになれるかもしれない、って。

SHOKOさんとの出会いがなかったら、私は自分の「複数の人生」をただの「失敗」だと思い続けていたと思う。でも、彼女の一言で、それが「強み」に変わった。

人生って、本当に、「出会い」で変わるんだと思う。

その出会いが、自分を見直すきっかけになり、新しい人生の扉を開く。一人で頑張ってた人生が、誰かに必要とされる人生に変わる。