あの日のあなたへ。

高速道路を走ってた。助手席に息子たちが寝てた。両手で握ったハンドル。前に見えるのは、真っ直ぐな道。

あなたは泣いてた。我慢できずに泣いてた。でも、子どもたちを起こしたくなくて、涙を飛ばすためだけに、車の窓を開けた。風に当てて、涙を飛ばした。

その光景は、本当に哀しかった。でもね、あなたは知ってたんですか。その光景が、あなたの「強さ」だったってこと。

大丈夫。あなたはちゃんと、たどり着くよ。

◇ ◇ ◇

その先に何があるのか、あなたは知らなかった。

離婚した後、シングルマザーとして、双子を育てて、病気と向き合いながら、自分の人生を取り戻すってことが、どんなに大変か。

それは、その時点では、想像もできなかったと思う。

でもね、あの窓を開けた女性は、本当に強い人だった。

涙を隠さなかった。我慢で押し通さなかった。「今、私は苦しい。今、私は泣きたい」って認めることができた。

◇ ◇ ◇

その勇気が、あなたを、ここまで連れてきた。

あの後、あなたは何度も立ち上がった。子どもたちのためじゃなくて。社会的な「良い母親像」のためじゃなくて。

「私が、どうしたいのか」という問いに、初めて向き合った。

そして、本当の自分に、やっと会えた。

◇ ◇ ◇

あの日、窓から風が吹き込んでいたけど。その風が、あなたを、新しい場所へ連れていったんだと思う。

あなたは、ちゃんと、たどり着いた。

泣きたいあなたへ。苦しいあなたへ。今、我慢しているあなたへ。

涙は、弱さじゃない。「自分がどう感じてるか」という、本当の声なんです。

その声に耳を傾けてください。その涙を、風に当ててください。

あなたは、ちゃんと、たどり着くから。